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飲食店のチラシデザインで集客効果を高めるには?現役デザイナーが解説

2025 8/08
お役立ち記事
2025.12.16
飲食店のチラシデザインで集客効果を高めるには?現役デザイナーが解説

本記事では、飲食店のチラシ制作を検討中の方向けに、集客効果があるチラシデザインを作るコツを解説します。

デザイナーの視点から見た「やってはいけないデザイン例」や「レイアウト・フォント・配色の考え方」を、作例画像を交えてご紹介します。「手書きやテンプレートのメリット・デメリット」「依頼する際に何を準備すればよいか?」といった疑問にもお答えします。

INDEX

手を動かす前に…目的と方向性を決める

チラシの役割は「お店の存在を知らせる」だけではありません。以下のような目的に沿った情報の伝達を行えるのが、チラシの特長です。

目的に沿った情報伝達の例
  • 開店やキャンペーンの告知を適切なタイミングで行い、来店の動機をつくる
  • 顧客層を絞り込み、適切な魅せ方をする(例:ランチタイム、ファミリー、学生など)
  • 店舗のコンセプトや価格帯をデザインで表現することで、他店と差別化する

お客様の特徴を考える

これらを考えるにあたって、まず重要なのが「お客様の特徴(属性)を考える」ことです。チラシに限らず広告系全般に当てはまることですが、「誰に向けた情報か」によって、効果的なキャッチコピーやデザインの方向性は大きく変わります。

お客様の特徴(属性)に合わせた訴求の例
  • 学生向け → 親しみのある楽しい文章、目立つ色や太字フォントで安価な雰囲気
  • ファミリー向け → 安心感や清潔感を演出、写真で賑やかさを表現
  • シニア向け → 文字は大きく、落ち着いた色合いで視認性や落ち着きを重視

一般的な属性の区分けとしては、以下のようなものがあります。

属性例
年齢30代、50〜60代、大学生、Z世代 など
性別男性、女性、その他
職業会社員、会社役員、主ふ、学生 など
家族構成独身、夫婦と子供の4人家族、単身赴任で一人暮らし、祖父母と同居で計6人 など
ライフスタイル休日に夫婦でゆったり食事、女子会、友人と飲み会 など

店舗周辺にどのような人が住んでいるか・立ち寄るかをリサーチしましょう。高校や大学の近くにあるお店と、閑静な住宅街にあるお店と、ビジネス街にあるお店では、顧客層がそれぞれ大きく違います。

作例① フォントで伝わり方が変わる

下記は、同じ文言・同じ色でも、フォントによって印象が大きく変わる例です。

①明朝体系
高級感のあるイメージに強いです。丁寧に作り込まれている印象を与えるので、繊細な料理を扱うコースのお店などで非常にマッチします。

②丸ゴシック系
ファミリー層に安心感を与えたり、自然派・ナチュラルな印象を与えやすいです。アレルギー対応や仕入れ先の情報を添えることで説得力がアップします。

③極太ゴシック系
安さやガッツリ満腹感を訴求する際にぴったりの書体です。かなり読みやすい書体なので、時間がない勤め人のニーズにも合います。

④⑤⑥筆文字
同じ「筆文字」の範疇でも少しの違いで印象が大きく変わる例です。和風のお店の場合は、楷書に近い落ち着いた印象の文字が向いています。高級店の場合、崩し字などアート性の高い文字も似合います。逆に、勢いがある掠れた筆文字は安価なイメージにつながります。

このように、顧客層に合わせた書体選びは「お店のイメージ・強み」を的確に表現する上で欠かせないポイントです。

チラシデザインの失敗ポイント

よくある失敗例には、以下のようなものがあります。

チラシデザインの失敗ポイント
  • 写真が暗くて画質も低く、料理が美味しそうに見えない
  • 情報が少なすぎて「ちゃんとしたお店なのか?」「ぼったくられないか?」と不安になる
  • 価格や住所・定休日が記載されておらず、現地に行っても入店できない

「一瞬で伝える」デザインの部分と、必要な情報を過不足なく「読んでもらう」部分にメリハリをつけることが重要です。見込み顧客に対して適切な情報を届ける「情報設計」をしていきましょう。

作例② 必要な情報を伝えるための基本構成

情報の抜け漏れが起きにくい構成の例
  • キャッチコピー(まず一目で興味を引く)
  • 写真(おいしそう!食べたい!と気分を上げてもらう)
  • メニュー・価格(誰と行けば楽しい時間が過ごせるか想像可能に)
  • 住所・営業時間(スケジュールを決め、交通手段をイメージしてもらう)

他店のチラシを集めて、どのチラシにも必ず入っている情報はどれか探してみましょう。

キャンペーン等で「激安」をアピールする場合、価格をかなり大きく表示することで「えっ、安い!何だこれ?」と興味を引けます。カンタンかつ効果が高い手法です。

料理写真の撮影と色補正

飲食店における料理写真は、第一印象を左右する超重要ポイントです。予算があるならフードコーディネーターさん+カメラマンさんに撮影を頼むのがいいですが、なかなか難しいことが多いと思います。そこで、自分でスマホ撮影する場合のコツと、色補正の考え方をお伝えします。

スマホ撮影のコツ

撮影時は、できれば自然光(蛍光灯の電気は消して、晴れた昼間に窓際)で撮影することが望ましいです。また、料理写真は人物写真と異なり、逆光で撮ると立体感が出てボリュームを演出できます。

「カフェでコーヒーの色もテーブルの色も茶色…どうしても画面が締まらない」という場合、カップやソーサーを真っ白にして、黒い布を置くことで引き締まります。スパゲッティのナポリタンを撮影する際は、布やお皿を紺色や深緑色にすることで、ナポリタンのオレンジ色が引き立ちます。

季節によっても見せ方を変えられます。夏の冷やし中華なら、光を反射して輝くガラス皿で涼しげにしたり、春はピンクや黄緑の布を使用することで、季節ごとの特別感をより魅力的に演出できます。リッチな感じを出すため、奥にセットの小鉢やコップを置くのもとても良いです。

東城

このあたりの演出方法は「ジョナサン」さんの季節メニューや「大戸屋」さんの写真がかなり上手なので、参考にしてみてください。また、Googleで「料理写真 撮影」など検索すると、カメラマンさんの記事が出てくるので読んでみましょう。

作例③ 色補正のビフォーアフター

写真が撮れたら、色補正でトーンを整えます。基本的には「明るく・温かみのある」方向に調整します。明度(明るさ)と彩度(鮮やかさ)を上げて、色温度(青っぽい/黄色っぽい)は黄色寄りにします。

ただし、夏で涼しげにしたい場合などは、あえて温かみを抑えることもあります。また、食材の部分によって色を微調整することもあります。例えばステーキ肉の断面に赤みを少し足しつつ、葉野菜の青みを上げて新鮮に見せるなどです。現物とかけ離れては本末転倒なので、やりすぎには要注意ですが、デザインの裏側ではこんな作業もしています。

撮影と色補正で、食欲を引き出せるか否かが決まります。

制作方法のメリット・デメリット

スクロールできます
価格納期労力品質
自作(手書き)◎⚪︎△×〜⚪︎(力量による)
自作(パワポ)△(すでにソフトがあれば◎)⚪︎×(操作に慣れていれば△)×〜△(力量による)
無料テンプレート◎◎△〜⚪︎△〜⚪︎
デザイナーに外注△△⚪︎〜◎◎

自作(手書き)

自作(手書き)の特徴
  • お金や時間がかからない
  • 他のチラシと混ざっても目立つ
  • 筆跡が店主の人柄を伝える=親しみやすい
  • 綺麗な写真の掲載は難しい

一見「安かろう悪かろう」になると思いきや、手書きというだけで目立つし、親近感も高い方法です。とはいえ、乱雑な文字・絵だとサービスの質まで低く見えてしまうので要注意です。

ある程度の技量があり、写真掲載が必須でない内容ならば、意外とおすすめの方法です。

自作(Microsoft PowerPoint)

自作(Microsoft PowerPoint)の特徴
  • ソフトをすでに持っていて操作に慣れていれば高コスパ
  • 写真の貼り付けが可能
  • 内容を編集して何回も使いまわせる
  • パワポ感の払拭が難しい(親しみにい、クオリティが低く見える)

何回も微調整して使い回しできる点が便利です。

ちなみにGoogleスライドはパワポと機能が似ていますが、操作の種類がかなり限られるため、チラシ制作にはあまり向きません。

無料テンプレート

無料テンプレートの特徴
  • お金や時間がかからず、クオリティもそこそこ高い
  • 手書きやパワポと異なり「予算がない感」を殆ど出さずに済む
  • 元のテンプレートの雰囲気に引っ張られてしまうので「お店らしさ」や「店主のこだわり・人柄」は反映しにくい

ブランド的に親しみやすさよりクオリティを出したい、でも予算は取れない…という場合に強力な方法です。

デザイナーへの外注

デザイナーへの外注の特徴
  • お金がかかる
  • クオリティと自由度が最も高い
  • 適切な印刷紙を選んでくれる
  • 原稿におかしい部分があれば指摘・修正してくれる

デザイン以外の細かい部分まで隙がなくなるのは、意外な強みと言えるでしょう。

「コスト」と「パフォーマンス」両方のバランスを考えるなら、オープンチラシや保存版チラシなど「ここぞの勝負」と、ショップカードやメニュー表など「ずっと使うもの」だけデザイナーに外注して、それ以外はテンプレートや手書きで作るのが良いかと思います。

東城

弊事務所は創業3年未満の方限定でセット割引を行なっていますので、よろしければ一度ご覧ください。

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作例④ 配色による印象の違い

写真の次に大切なのが、チラシ全体の配色です。色は見る人の感情や購買意欲に大きな影響を与えます。

たとえば、赤やオレンジなどの暖色系は食欲を刺激しつつ、活気やにぎわいを演出します。一方、ベージュや緑は落ち着いた印象を与え、ゆったり過ごせる店舗やナチュラルな雰囲気に適しています。

配色によって印象が変わる例

黒×金×白 … 高級・和食・ディナー
赤×黄  … 安さ・スピード・学生向け
緑×茶×白 … 健康・自然派・くつろぎ

お店の雰囲気や強みと一致した適切な配色ができれば、説得力が増し、読む側も理解しやすくなります。配色からメニューのジャンル(洋食、中華、インドカレーなど)や価格帯のイメージも浮かぶので、内容と色がチグハグにならないよう注意が必要です。

季節感をうまく活用する

同じお店でも季節ごとに配色や雰囲気を変えて打ち出すことで、飽きさせない工夫ができます。季節限定メニューやキャンペーンを行う際には、以下のような表現を使うと季節感・特別感が出せます。

季節感を配色に取り入れる例

ピンク×黄緑×茶色 … 春ののどかな雰囲気
水色×黄色×白 … 夏の爽やかさ、涼しげ
オレンジ×茶色×深緑 … 秋の実り、ハロウィン
赤×緑×白  … クリスマス

季節モチーフの例
春桜の木・花びら、クローバー・チューリップ、新緑の葉っぱ、青空、蝶、メジロ・ウグイス、キャンプ用品 など
梅雨あじさい、カタツムリ・カエル、傘・長靴、水玉模様、虹 など
夏海、太陽、入道雲、ヤシの木、スイカ、ひまわり・ハイビスカス、カブトムシ、金魚、パラソル、うちわ・扇子、麦わら帽子 など
秋どんぐり・まつぼっくり・落ち葉・ススキ、芋・栗・かぼちゃ、うさぎ・団子・満月、鹿・リス・クマ、ハロウィン関係 など
冬雪・結晶、雪だるま・雪うさぎ、星空・オーロラ、湯気、玉ボケ(光のエフェクト)、クリスマス関係、正月関係 など

制作を依頼する際のポイント

制作ご依頼の際は、以下の情報が揃っているとスムーズです。

ご依頼時に用意するとよい情報
  • 主要顧客層(年齢層/性別/来店時間帯など)
  • 競合店との違い・店舗の特徴
  • キャッチコピー、説明文、キャンペーン情報など
  • メニューと価格のリスト
  • 使用する写真
  • 住所、定休日・営業時間、電話番号、SNSのURLなど
  • 配布手段(ポスティング/新聞折込/店頭配布など)
  • ご希望の納期・印刷部数・サイズ

ご依頼時の詳しい考え方を知りたい方や、「依頼書テンプレート」「メールの例文」をコピペしたい方は、以下の記事が参考になるかと思います。

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チラシは「誰に」「何を」「どう伝えるか」設計しなければ、コストをかけても反応を得にくいです。目的に即したデザイン設計で、集客効果を向上しましょう。

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東城 優花

BUNデザイン事務所

グラフィック/Webデザイナー・漫画家・イラストレーター。
デザイン専門学校を卒業後、教育系ベンチャー企業、デザイン事務所でのデザイナー・アートディレクター勤務を経て独立。
1993年生まれ。夫と二人暮らし。ヘヴィメタル音楽が大好き。

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